本番直前の2~3か月、過去問で合格最低点を取れないと焦る時期です。
泣いても笑ってもあと少し。できることは全部したいですが、そんなに時間もありません。
最後の模試から2ポイント、3ポイント、6ポイント上の3つの学校に合格した伴走方法をお伝えします。
ポイントは、「睡眠時間、気持ちの安定、1月休校を前提とし、過去問→見直し→復習→単語帳めくり の繰り返し」です。
注)若干狂気です。
伸びる直前伴走の大前提
睡眠時間は絶対に削らない!
記憶の定着のためにも、健康維持のためにも、絶対に睡眠時間を削ってはいけません。
命がけで就寝時間を守りましょう。
絶対に叱らない。子供の気持ちを安定させることが大事。
直前になると、緊張してくる子もいると思います。
自分も子供も、とにかく「平常心」でいるよう努めてください。
(そう言われても無理だと思いますが、意識はしておいてください)
1月は学校を休んでガッツリ勉強。
これはご家庭によってご判断があると思いますが、朝から晩までガッツリ30日間伴走することで絶対に得点力は上がります。
狭い世界のサンプルですが、1月に学校を休む子は6割で、そのうち自宅でガッツリ勉強した子は4割。
受験者の2割強が最後の追い込みをしていました。
まず子供のタイプを観察して、いつから始めるかを決める
体力がある子なら、11月から3か月間ガッツリ伴走をしていいと思います。
体力がない子は、長期間ガッツリ勉強して体調を崩すのは本末転倒なので、どれくらいの期間ならがんばれそうか考えて決めてください。ちなみに二人目は12月から始めました。
気力がない子は、あまりガッツリ勉強すると更にやる気を失う可能性があるので、開始してからの1日の勉強時間を短めに設定することをオススメします。
例えば、
体力がある子:11月から
体力がない子:12月or1月から
気力がない子:12月or1月から、時間短め
基本的に、睡眠、学校、食事、風呂、休憩1時間、以外は全て勉強時間にあてます。
しかし、塾がある日は帰宅時間が遅くなるので、就寝時間を優先して勉強はしません。
ガッツリ伴走のスケジュール
12月末までのスケジュール
12月末までは、基本的に土日にしか過去問をやりませんでした。
塾がありますが、その合間を縫って過去問をやります。
見直しと該当ジャンルの復習と大きな単語帳作り(やり方は後述)は平日にやります。
これが一週間のサイクルで、一週間に一年分をしっかり復習までやります。
1月のスケジュール
基本的に2日でワンセットのスケジュールになり、1月だけで15年分の過去問をこなし、志望校の問題にも慣れ、弱点ジャンルを自分史上最高に身につけられます。
1日目スケジュール
毎日本番同様の時刻に起床、朝食。
本番当日に乗る電車に間に合うように駅まで散歩。
本番当日に緊張しないためと、朝の空気に体を慣れさせるためです。
本番当日の行動を「いつものこと」と子供の体が感じるように、一か月間かけて体に叩き込みます。
帰宅後、本番の試験時間と同時刻に過去問(1年分)を開始し、タイムスケジュールも本番同様に進行します。
科目間の休み時間も、本番と同じように過ごします。(テレビや漫画はNG)
採点(親)、見直し、該当ジャンルの復習(やり方は後述)を行います。
子供が寝た後、親は大きな単語帳を作ります。(やり方は後述)
2日目スケジュール
毎日本番同様の時刻に起床、朝食。
本番当日に乗る電車に間に合うように駅まで散歩。
近所の公園でキャッチボール(指を痛めたらいけないので、手袋をして柔らかいボールで)、サッカー、縄跳びなどをして、体力維持に努めます。
天気が悪い日は家の中で腹筋や逆立ち、ストレッチ、switchのソフト「リングフィットアドベンチャー」がオススメです。
一緒にやったり、付き合ったりするので親はヘトヘトです。
帰宅後、少し休んだら、昨夜できなかった見直しや該当ジャンルの復習の続きや、昨夜親が作っておいた大きな単語帳(やり方は後述)をめくって知識確認をします。
この日にした復習で子供がうろ覚えのものがあったら、親はまた大きな単語帳作りを順次していきます。
伴走のやり方
子供が過去問を解く→親が採点→お昼ご飯→見直し→該当ジャンル復習
子供が一科目めを解いている間にお昼ご飯の用意。
子供が二~四科目めを解いている間は採点や家事をやります。
子供が四科目めを終えたら、四科目めを親が丸つけしている間は子供はお昼ご飯。
四科目めの丸つけが終わり、子供のお昼ご飯が終わったら、子供は見直し開始。その間に親はお昼ご飯。
親のお昼ご飯が終わったら、何を間違えたのかを一問ずつ子供から聞いて見直しの共有をする。
間違えた過去問を親が見て、どのジャンルに当たるのか確認し、そのジャンルのテキストや問題集を子供が復習する。
例えば、社会で鎌倉時代を間違えていたら、鎌倉時代を勉強した時のテキスト箇所を隅々まで読ませ、以前やったことがある模試や問題集で鎌倉時代のものを探し、その中で過去に間違えていた問題をやり直す。
理科も同様。
算数については、単なる計算ミスによる誤答は見直しのみ、理解不足の誤答は、見直しした上で、該当ジャンルのテキストの基礎部分と基礎問題集を復習。
国語については、漢字や語句、文学史の間違いは見直しのみ、読解ミスは可能な限り説明してあげる。
ここまでで、過去問を解き、見直しをして、間違えた該当ジャンルの復習もしました。
さて、次に仕上げとして親がやることは、過去問で間違えた知識の書き出しです。
国語、社会、理科について、間違えた問題と答えを書いて、単語帳のように毎日めくらせます。
これが一番の肝だと思います。
一番の肝:親が大きな単語帳を作る→子供が毎日めくる
用意するもの
・A4のルーズリーフ(横に使います)
・太いサインペン(赤、緑、青など何色か)
・ルーズリング
・A4のルーズリーフはDAISO等の安いもので大丈夫です。
・太いサインペンはDAISOのサインペンセットが太さがちょうどよかったです。文房具店等で売っているものは書いた線が細くて、パッと見た時に存在感がありません。少しお金をかけてもいいならポスカの中字もいいと思います。
・ルーズリングは店舗で売っているのを見たことがありません。ネットで購入することをオススメします。「カール事務器 ルーズリング」で検索してください。ものすごい枚数になるので「100枚用」がいいと思います。
何度も手早くめくることになり、めくる際に穴部分が破れてしまうので二穴リングで綴じるのはオススメしません。またファイル形式のものでは枚数が多すぎて綴じきれないこと、とにかく子供が手軽にめくれることが大事なのでオススメしません。ダブルクリップで綴じるとめくれないのでこれもオススメしません。
他のメーカーで安いルーズリングも試しましたが、たてつけが悪く綴じにくかったり、めくりにくかったり、破れやすかったりしました。カール事務器のルーズリングはなぜか度々在庫切れを起こすので、多めに買っておくと安心です。うちは6本セットを3つ、全部で18本で間に合いました。
作り方:表に問題 裏に答え
例えば、鎌倉幕府を作った人を答えられなかったとしたら、ルーズリーフの表に
鎌倉幕府を作った人は?
と大きく書いて、裏に
源頼朝
と大きく書きます。
また、該当ジャンルを復習するうちに「これはどうしても覚えられない…」というのが出てくると思います。
そういうものもルーズリーフを作ってあげてください。
書く時には、一色だと単調で子供が見飽きるので、多色を使います。
理科はオレンジ、社会は茶色、とかでもいいし、その日の気分で今日は水色を使うとかでもいいです。
もしカラフルで子供が見にくいというなら、全部同じ色で書いてください。
イラストが描けるなら挿絵を入れたり、シール・切り絵・ちぎり絵・写真を貼ったり、植物の内容ならルーズリーフにフローラルやウッディーな香りを染み込ませるなど、とにかく何か記憶に残るしかけを工夫してください。
そこまでやる?!と思わないでもないですが、なりふり構っていられない時期に来ています。
逆に、ここまでやったら、どんな結果でも「受験やり切った」と思えると思います。
「あれをやっておけばよかった」と悔いを残してはいけません。
これをひたすら作っていって綴じます。
はっきり言ってものすごい分厚さと冊数になります。
重ねたら1mくらいになりました。
使い方:子供は毎日めくる
毎日これを子供にめくらせます。スキマ時間等にゴロゴロしながらめくってもいいです。
パッと見て答えがわからなかったら、すぐにめくって裏の答えを見る、というスピード感でめくっていってください。
時間をかけてはダメです。
時間をかけて覚えて1回めくるより、スピーディーに短時間で1回を済ませて、それを毎日やる方がいいです。
時間かけて覚えても本番までに記憶が薄れてしまいます。
本番まで記憶が持つように、毎日、目にすることが大事です。
覚えたものは抜いて別冊にするか、後ろの方に綴じ直すか、
覚えられないものにだけ付箋を貼って、いつでもめくって見れるようにするか、
なるべく短時間で未暗記箇所をパッと見れるように工夫をしてください。
未暗記は毎日めくり、暗記したと思ったものでも忘れるので、3日に一回はめくって記憶を定着させてください。
日を追うごとに量が増えていき、単語帳作りはもちろんのこと、めくるのも大変になりますが、とにかく本番当日に記憶を保っていればそれでいいので、ここは踏ん張ってください。
これで一年分の過去問をしっかりやった、という具合です。
親はものすごい手間がかかります。
しかし、これをやると知識が少しずつ補完されてきて、回を追うごとに過去問の点数を上げ始めます。
採点の仕方 と 本番へ向けての子供のメンタル管理
採点は絶対に親がします。
不正防止のためと、細かいところまで弱点の洗い出しを的確に行うためです。
過去問を解き始めた当初は、採点はとても厳しくやってください。
それで合格最低点を超えていれば良し。
合格最低点を超えていなかったら、本番2週間前くらいから、子供に気づかれないように緩めに採点をし、無理のない範囲で合格最低点に近づけるか、超えるようにしてあげてください。
(記述問題くらいしか緩く丸つけできませんが…)
「やったー!合格最低点超えた!」
と親子で喜んで、自信をつけてあげましょう。
どんなに緩く採点しても全然届かなくて無理…という場合は、点数計算ミスを承知で良さそうな点数を見せてあげてください。
本来なら、厳しく丸つけをして合格最低点を超えるのが一番いいのですが、
本番に自信を持って臨むことは本当に大事だと私は思います。
最後まで合格最低点を超えなかった真実を突き付けたとして、メリットがあるでしょうか?
偏差値60の子が本番で6~7割の力しか出せないところ、
偏差値50の子が本番で10割の力を出したら、いい勝負ができます。
だからジャイアントキリングが起こるんです。
メンタルは合否を大きく左右します。
後ろめたい気持ち、嘘はいけないという気持ち、正直が大事、よくわかります。
でもここは、親の覚悟です。墓までこの所業を持っていく覚悟でやってください。
その代わり、子供に自信を持たせてあげられます。毒を引き受けるのは親の役目と心得ましょう。
直前期伴走のまとめ~ジャイアントキリングはできる!
・睡眠時間死守
・子供のメンタル管理のため叱らない
・1月は学校休んでガッツリ伴走
伴走は「過去問を解く→親が採点→見直し→該当ジャンルの復習→大きな単語帳を作って毎日めくる」というように行う。
本番前1~2週間から採点を緩くして、合格最低点を超えた状態で子供を本番へ送り出す。(子供のメンタル管理のため)
直前期の過ごし方によっては、ジャイアントキリングはあります。
それまでになく子供は勉強しましたし、我が家史上最高に家の中は取っ散らかっていましたが、子供は臨戦態勢を楽しんでいました。
くれぐれも、子供に強要することなく、本番というお祭りに突っ込んでいくんだという、楽しむ気持ちを忘れないでください。
みなさんの中学受験に 幸あれ!!