子供が中学受験にチャレンジしてみようとなった時、
さてどこの塾にしようか、選択肢がたくさんあって悩みますよね。
最難関校の合格実績数で言えばサピックス?
定評のある予習シリーズを作ってる四谷大塚系?
手厚くお世話をしてくれそうな個人塾?
先に答えを言いますと、テキストやカリキュラムだけで判断するなら
「はっきり言ってどの塾も大差ない」です。
ポイントは、入塾説明会での先生の熱心さ、人柄、雰囲気、これに尽きると思います。
大規模説明会?それとも個別で説明?
事務的な話ばかり?熱く教育について語る?
もちろんご家庭の事情があるので、家庭学習重視は無理、遠すぎると通いきれない、というご自身の事情は考慮してください。
でもそれ以外は塾の表面的な情報ではなく、その塾にいる先生達との相性が結果を導くと思います。
塾選びの前に子供の性質を観察
まずはお子さんの特性を観察しましょう。
自分で進んで物事に取り組むタイプか、お尻を叩かれれば走るタイプか、言われるとやらないタイプか、競争心が強いか、雰囲気にのまれて物怖じするタイプか、友達の影響を受けやすいか、大人数は苦手か、など色々あると思います。
これまでお子さんを見てきて、どんな性質の子供かを念頭に入れましょう。
塾の情報を入手する
通える範囲にどんな塾があるかを調べる
通塾範囲にある塾の情報を入手しましょう。
グーグルマップに「塾」と入力して近隣の塾がどこにあるか調べる、
「〇〇(お住まいの地名) 塾」とグーグルで検索するのもいいと思います。
また、実際町を歩いて目に付いた塾を覚えておくのも良い方法です。
子供が通う上で、人通りの多さ、通りの明るさ、夜の治安の良し悪しは大事な情報です。
ピックアップした塾の情報を調べる
次に各塾のホームページを読み、次に「〇〇塾 評判」と検索して塾の評判を調べます。
大体の傾向がわかったら、次はX(旧Twitter)で調べたい塾について質問してみます。
「〇〇塾の〇〇校について、先生は熱心ですか?」など具体的に質問を書き、最後に#中学受験 #〇〇塾 などのハッシュタグを入れて、興味関心があるユーザーに見てもらうよう工夫します。
最近では、レモンさんという中学受験済保護者さんが立ち上げた「中学受験のバトン」というLINEチャットがあり、こちらでも中学受験保護者経験者や中学受験真っ最中の保護者の方々からアドバイスをもらえます。
レモンさんの中学受験のバトンLINEオープンチャットのご紹介ページ
もし親しい友達で近所の塾のことを聞けそうなら、聞いてみるといいかもしれません。
ただし今現在通塾中の方に聞くと、本番を見据えた長期的なアドバイスはお持ちでないと思うので(未経験だから当然だと思います)、できれば中学受験を終えたご家庭の方にお話しを聞けるといいと思います。
塾の情報を入手し比較する際の注意点
入手した塾の情報はあくまで塾の表向きの文章や画像、そして匿名の方々からの情報、もしくはだいぶ個人的な感想なので、単なる情報として理解しておきましょう。
ここまで調べたら、検討している塾の傾向は何となくわかったと思います。
ご自分のお子さんの性質に合っているかな?と思われる塾を優先して説明会に参加しましょう。
入塾説明会での印象が一番大事な情報
ある程度塾のことを理解した上で入塾説明会に参加すると、驚くような新しい話はあまりないと思います。
入塾説明会でよく見るポイントは、先生!
先生の熱心さ、人柄や雰囲気が合うか、をよく見てください。
はっきり言って、どの塾のテキストも、中学受験を乗り越えるための知識量はふんだんに盛り込まれていると思います。
問題は、それを教える先生です。
説明会で説明が上手な先生だったか、表面的な話だけでなく、教育や子供の成長に対して熱い思いを語ったか、その先生の話している様子、塾全体の雰囲気、丁寧に保護者に対応しているか、といった点を観察してください。
校舎のきれいさや、設備の良さ、合格実績数なんて関係ないと私は思います。
そんなことは些末なことで、何が一番大切なのか、それは
大事なうちの子供の数年間の人生を預けるに足る先生であるかどうか、
これに尽きます。
たいていの場合、説明会で説明する先生はその校舎で一番偉い先生か、エースの先生のはずです。
その先生が冴えなければ、その校舎の先生で冴えている先生がいるかどうかは期待できません。
もちろん、説明してくれた先生がとても良い先生だったからといって、その校舎の先生全員が良い先生かどうかはわかりません。
しかし少なくとも、塾の顔である入塾説明会で説明している先生が、子供を預けるに足る先生でなければ、その塾がいくら合格実績数が多い塾であろうと、選ぶべきではないと思います。
塾全体の合格実績数イコールその校舎の実績ではないからです。
入塾説明会でその校舎の実績を聞く
入塾説明会で上記に書いた様子を観察したら、最後にその校舎の実績を聞いておきましょう。
なぜなら、元々優秀な生徒が集まるサピックスを除いて、多くの塾では、当初集まる生徒の質は「生徒ガチャ」であり、玉石混交状態です。
その状態からどの程度の合格実績を出したかは、その校舎の先生の力を見る判断材料になるからです。
また、なぜか特定の学校に関してだけ合格者数が多いという塾や校舎もあります。
そういう場合は、それが何故かを聞いてみてください。
その学校の傾向と対策に非常に強い名物先生がいることがあります。
その学校を視野に入れたいなら、場所的に、時間的に、費用的に、名物先生の授業を受けることができるのかを聞いておくことは大事です。(非常に遠い校舎の授業だったりすることがあります)
塾を選ぶ
一つ目の塾で「ここだ!」と思えば、他の塾の説明会へは行かなくてもいいと思います。
もし複数の塾へ説明会に行って比較するなら、カリキュラムやテキストではなく、先生の熱意や様子や相性で決めてください。
【塾を選ぶ際の注意点】塾全体の合格実績数に惑わされない
これから入塾する子は、どれくらいの偏差値帯なのか未知の状態です。
「うちは御三家かそれに準ずる学校を目指したいから難易度高めの塾に行かせたい」と、合格実績数を頼りに塾を選ぶのは危険だと私は思います。
塾が「うちの塾は偏差値50前後の学校を目指す子の塾です」と特色を出しているなら、最難関校向きではないでしょう。
しかし、そうでないなら、どの塾でも伸びる子は伸び、受かる子は受かります。
特に大手塾や準拠塾ならテキストやカリキュラムに不足はないので、選ぶべきは先生です。
また、教え方や指導方法次第で伸びる子も本当にたくさんいます。
それはまさに先生の力です。
・受験を単なる勉強ではなく、子供の成長の通過点として大きな目で見てくれる先生
・受験を前に不安定になる生徒や保護者に正面から向き合ってくれる先生
・家庭の事情をくみ取って費用面の相談に乗ってくれる先生
・小学生というまだ幼い時期を考慮して、授業を楽しくやってくれる先生、わかりやすい(時には子供が喜ぶバカみたいな)暗記方法を教えてくれる先生
そういう先生がいる塾こそ、我が子の数年間の人生を預けるに値する塾だと、私は思います。
塾選びのまとめ
・子供の性質を観察
・塾の情報をいくつかの手段で入手
・入塾説明会で先生を観察
・校舎の合格実績を聞く
・「塾全体の」合格実績数に惑わされない
大切なお子さんの大切な時期を預ける塾です。
塾はカリキュラムや設備や仕組みでできているわけではなく「人」でできています。
この先生になら大事な我が子の数年間の人生を預けられる。
そういう観点で塾選びをすれば、どんな結果であろうと、
「中学受験をして良かった」と思える日が来ると思います。